流行モノのリストをあげていくときりがないのでこのあたりで止めておきますが、なぜ日本人は流行モノが好きなのでしょうか?いわゆる初物には縁起を担ぐ傾向が強くあり、ご祝儀的な意味合いも兼ねるケースがあります。特に農産物や水産物で顕著に見られます。とはいえ、マスクメロンにしろ、マツタケにしろ庶民には無縁のものでこれは流行モノとは程遠いものです。
一方、マーケティング的には数量限定で「売り切れ必至」商売が常套手段になっています。それこそアニメグッズからマンションの「第〇期販売」までとにかく業者は数を出さず、売り切れというキャッチに重点をおきます。「数量限定」「残り僅か」「早い者勝ち」などなど。それこそ備蓄米も一種の流行モノに近く、一部の方にとっては「どんなものか一度食べてみよう」だったのではないでしょうか?政府も政府で備蓄米は8月末までに売り切れるよう制限付きになっています。当然ながらここから先は小出しで品薄感を醸し出せばマーケティング的には成功ということになります。
日本とカナダを往復していていつも思うのは日本は消費大国であることです。そして多くの消費者がsomething new(何か目新しいもの)を血眼になって探しているのです。それこそ100均で陳列棚を隅から隅まで舐めるようにして見て歩く客が多いのは「これみてよ、すごくない?」という話題性を求めているのだと思います。その点は韓国人も似ていて長蛇の列もそっくり。2023年には日本のウィスキーとハイボールがバカ受けしたのを覚えているかと思います。
アメリカも割と流行には敏感ですが、カナダはかなり保守的でその商品なりサービスが間違いないものか、石橋を叩く傾向はあります。ただしのぞき見趣味はかなり強く、かつてはコンドミニアムの新発売となれば販売センターに長蛇の列ができて売る側も行列している人たちにドリンクサービスをするなどむしろそれを楽しんでいたこともあります。24年にバンクーバーに初オープンした丸亀製麺も初めの3か月ぐらいは驚異的な人気で確か同社の海外店ではハワイに次いで2位につけるほどの売り上げを記録しました。今ではいつでもすぐに入れます。つまりカナダではブームではなく、ちょい見して終わりという点でビジネスは本当に難しいところです。