一方で、学研はすでに高齢者市場でビジネスを立ち上げています。学研の場合、どうすればいいのでしょうか?
これも先程同様に、簡単に情報が得られます。
「海外 高齢化率」というキーワイドで検索して、内閣府の「高齢化の状況」というサイトにある「世界の各年代別高齢者の割合及び推移」というグラフを見ると、こんなことがわかります。
・日本は欧米やアジア諸国と比べて、圧倒的に高齢化が進んできた世界唯一の国である ・2030-40年頃には、アジア諸国が現代の日本と同じレベルに高齢化社会になる ・順番は、韓国→シンガポール→タイ→中国の順番である ・2040-50年頃には、ドイツとフランスが現代の日本と同じ高齢化レベルになる
つまり学研のように日本で既に高齢者向けビジネスを確立した企業にとって、次の数十年間で狙うべき市場はアジアであって、その順番は韓国→シンガポール→タイ→中国である、ということです。
ただし、これは高齢化率しか考えていません。市場サイズや市場特性も考慮に入れる必要があります。
実際、宮原社長もインタビューで「グローバル展開に取り組んでいる」と述べています。
海外売上比率5割を目指し、中国、シンガポール、タイ、インドなどで、まずは教育分野で合弁事業を進めて、M&Aをしたりして試行錯誤を繰り返し、経験を積み重ねています。
そして今後はさらに医療福祉にも注力する方針です。
教育分野で積み重ねた海外事業の経験が、医療福祉事業の展開でも活かせるわけです。
マーケティングでは「製品ライフサイクル」という考え方があります。
現在成長している事業や市場も、必ず成熟期を迎え、そして衰退していきます。
しかし現在の問題解決が最優先である現場で頑張っていると、こうした視点はなかなか持てません。
だから経営視点で、常に10年後・20年後と先を見て、先手・先手を打つことが必要なのです。
あなたの会社は、10年後、20年後を見て先手を打っていますか?