私はいま、参議院選挙で社会保険料の引き下げを最大の争点として戦っています。

社会保険料の高さは、現役世代の暮らしを苦しめ、若い人たちが結婚・出産・子育てに踏み出せない大きな壁になっているからです。

しかし、日本の社会制度にはもう一つ、根本的で深刻なバグがあるのです。

■子どもを持つ家庭ほど負担が重くなる社会

いまの社会保障制度は、「みんなで支え合う」と言いながら、実は子どもを育てている家庭のほうが最終的に重い負担を背負わされている構造になっています。

●子どもを育てるには、多大な時間・お金・労力がかかる ●社会保険料は子どもの有無にかかわらず一律に徴収される ●将来、子どもを育てた家庭も、子どもを持たなかった家庭も、将来は同じ社会保障を享受する・享受できる

つまり、子どもを持つ家庭が社会保障制度を二重に支えているのに、その負担が適切に軽減されていないのです。

これでは端的に言って「子どもを育てた人が損をする社会」になってしまい、必然、若い世代は結婚や出産をためらい少子化は止まらなくなります。

これは、日本の社会制度に設計ミス—— “深刻なバグ”が存在している証拠です。

■15年前の「子育て増税」がまだ続いている

この「子どもを育てる家庭が損をする社会」の原因のひとつが、いまだに続いている子育て世帯への増税です。

2010年、当時の民主党政権は「子ども手当」の財源を確保するために、年少扶養控除を廃止しました。

結果、15歳以下の子どもがいる家庭は、

所得税で年間38万円 住民税で年間33万円

の控除を失うことになったのです。たとえば子ども2人の家庭なら、年収500万円の場合、年間で14万円以上の負担増となりました。

そして皮肉なことに、肝心の「子ども手当」は結局、途中で事実上頓挫。でも年少扶養控除の廃止(=増税)だけは、いまもそのまま続いている。

これはどう考えても、実質的な「子育て世帯への増税」であり、このままで良いはずがありません。