米国のウクライナへの武器供与に一部停止について、米国防総省のパーネル報道官は、「トランプ大統領はこの悲劇的な戦争を終結させるという目標に沿って、ウクライナへの強力な軍事支援の選択肢を引き続き提供していく考えだ」と述べた。一方、国務省のブルース報道官も「ウクライナへの支援や武器販売の停止ではない。トランプ大統領は、ウクライナへのロシアの攻撃に対抗する上で重要な役割を果たすパトリオットミサイルの供与に引き続き尽力する」と述べ、ウクライナ側の懸念払拭に努めている。
ロシア軍の大規模攻撃の数時間前、ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアのプーチン大統領と電話で約1時間会談した。トランプ氏はウクライナ侵攻の早期停止を要求したが、プーチン氏は戦争の続行を表明、会談は平行線に終わったもようだ。トランプ氏は「ウクライナ情勢では進展は全くなかった」と不満を吐露している。
プーチン大統領は1日、フランスのマクロン大統領と電話会談したが、ウクライナ情勢について「ウクライナ紛争は西側諸国が長年にわたりロシアの安全保障上の利益を無視し、ウクライナに反ロシアの拠点を作り、ウクライナのロシア語圏市民の権利侵害を容認し、現在はキーウ政権にさまざまな近代兵器を供給しながら敵対行為を長期化する政策を追求してきた政策の直接的な結果だ」と従来の立場を繰り返し、平和的解決の見通しについては、「可能性のある合意は包括的かつ長期的なものであり、ウクライナ危機の根本原因の除去を規定し、新たな領土的現実に基づくものであるべきだ」と述べている。トランプ氏との会談でも同様の立場を明らかにしたものと見られる。

プーチン大統領 クレムリンHPより
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。