なお、トランプ氏は2月28日、訪米したゼレンスキー大統領とホワイトハウスで首脳会談を開いたが、激しい口論を展開し、予定していたウクライナの鉱物資源の権益を巡る合意文書への署名は中止された。その直後、トランプ氏は3月3日、ホワイトハウスで「ウクライナへの全ての軍事支援の一時停止を命じた」と報じられたことがある。
いずれにしても、ワシントンからの発表はキーウで大きな懸念を引き起こした一方、ロシアを喜ばしたことは言うまでもない。プーチン大統領は1日、マウロン大統領との電話会談で、ウクライナ情勢について「ウクライナ紛争は西側諸国が長年にわたりロシアの安全保障上の利益を無視し、ウクライナに反ロシアの拠点を作り、ウクライナのロシア語圏市民の権利侵害を容認し、現在はキーウ政権にさまざまな近代兵器を供給しながら敵対行為を長期化する政策を追求してきた政策の直接的な結果だ」(クレムリン公式サイトから)と繰り返している。そして、平和的解決の見通しについては、「可能性のある合意は包括的かつ長期的なものであり、ウクライナ危機の根本原因の除去を規定し、新たな領土的現実に基づくものであるべきだ」と述べている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年7月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。