参加者には、運転中のスマホ使用について、自分自身の行動やその理由、周囲の影響などを自由に語ってもらいました。
次に、インタビューで得られた結果をもとに、スマホ使用に関する信念や態度、社会的規範、行動制御などを測定する38項目の質問票を作成。
これを全米1,126名の高校生ドライバーに配布し、彼らの運転中のスマホ使用実態と心理的傾向を統計的に分析しました。
10代の若者は運転中の21.1%をスマホ注視に費やすと判明
本調査の結果、参加者の10代ドライバーたちは、1回の運転につき平均21.1%の時間をスマホを見ることに費やしていたと回答しました。
これは単純に考えても、5分間の運転のうち1分以上は視線がスマホに向いている計算になります。

さらにそのうちの26.5%で、スマホへの注視が2秒以上続いていたことも明らかとなりました。
これは時速60kmで走行中に、約33m以上もの距離を「目を閉じた状態で走る」ことに相当します。
非常に危険なのは言うまでもありません。
では、なぜこれほど多くの時間、若者たちはスマホに目を奪われてしまうのでしょうか?
その理由として、65%がエンターテイメント(動画視聴、SNSなど)目的、40%がテキストの送受信、30%がナビゲーションの確認と答えています。
運転補助目的よりも、娯楽目的の使用が圧倒的に多いことが明らかとなりました。
ナビゲーションであっても、運転中に操作したり目を奪われたりすることで重大な事故につながるリスクがあります。
しかし若者たちは、より安易な気持ちで、まるで家の中でくつろいでいるかのように、運転中にもスマホを見ていたのです。
さらに、質問票によってそれらの行動の背後には、「親も反対しない」「友達も使っている」という考えがあることも明確になりました。