■「ギザが付いた理由」に納得

インフレが進み、五百円硬貨が存在する現代において、10円は決して「大金」ではない。しかし、かつては十円硬貨が硬貨の「最高額面」だった時代が存在し、ギザ10はその象徴なのだ。

造幣局の担当者は「『ギザ』をデザインした狙いとして、51年に当時の最高額面として10円貨が登場したためギザが付けられていましたが、57年(昭和32年)に100円貨(銀貨)が発行され、この100円貨との区別が難しかったことから、59年(昭和34年)にギザ無しのデザインへと変わりました」と、説明している。

ちなみに、ギザ10の発行時期は51年から58年(昭和33年)までの、わずか8年間。現行の十円硬貨との差異は「ギザの有無」だけで、材質・直径・重さはいずれも同様だという。

もう数十年も経てば、「ギザ10を知らない」世代の方が、知っている世代より人数が多くなるかもしれない。

■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ