狭い駐車場にピッタリ入庫するのが苦手だ、という人でも安心なトンデモ自動車が開発されました。

この奇抜で斬新な一人乗りの電気自動車は、イタリアの職人アンドレア・マラッツィ(Andrea Marazzi)氏によって、旧型フィアット・パンダをベースに完全手作業で改造されたものです。

驚くべきはその横幅、なんと50センチメートル。

これは世界最狭クラスの乗用車であり、現在ギネス世界記録の申請準備中の注目作でもあります。

では、この驚異の“激細”パンダがどのようにして生まれ、何を目指しているのかを詳しく見ていきましょう。

目次

  • イタリアの小型車「フィアット・パンダ」を改造!“超絶狭い”改造車が誕生
  • 「世界最狭」のフィアット・パンダはどのように作られたのか

イタリアの小型車「フィアット・パンダ」を改造!“超絶狭い”改造車が誕生

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初代フィアット・パンダ / Credit:Wikipedia Commons

まず、もとになったフィアット・パンダについて少し紹介しましょう。

フィアット・パンダは、1980年に初代モデルが登場して以来、世界中で販売された人気の小型車です。

名称は動物の「パンダ」にちなんでいます。

シンプルな設計と実用性を重視したこの車は、イタリアの著名な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされ、都市部でも田舎でも使いやすい“庶民の足”として広まりました。

オリジナルのフィアット・パンダの全幅は1460mmであり、もともとコンパクトでしたが、今回紹介する改造版はその1/3、たったの500mm(50cm)という驚異のスリムさ。

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幅50cmしかないフィアット・パンダ / Credit:tutti pazzi per marazzi

これは一般的な人間の肩幅くらいの寸法です。

外観は元のパンダの面影を強く残しつつも、全体がシャープにそぎ落とされたようなシルエットに。

幅があまりに細いため、後ろ姿はまるで船の船首のようなユニークな形状となっており、夜間走行用のヘッドライトは中央に1灯のみが搭載されています。