一言に「車」といっても、世の中には様々な種類の車両が存在する。しかし道路上を走行する車は、いずれも見慣れた車種が大半である。
先日X上で、首都高を走る姿が目撃された2台の車に対し「ここを走って良いの?」と疑問の声が続出していたのをご存知だろうか。
■「こいつら高速通っていいのかよ」
ことの発端は、とあるXユーザーが投稿した1件のポスト。
「こいつら高速通っていいのかよ。めっちゃ遅かったんだけど」と、何やら不穏な内容が綴られた投稿には、首都高上で撮影したと思しき写真が添えられている。
そしてなんと左車線には、どう見てもスピードが出ないであろう、作業現場で使用されているような形状の車両「フォークリフト」が2台走行していたのだった。
■「これ違法では?」と疑問の声も…
撮影地が首都高である点を考えると「場違い」にも感じられる光景は瞬く間に話題となり、Xユーザーからは「この車、50km/hで走れるの?」「首都高走ってるの初めて見た」「法律上、問題ないのかな?」「これ違法では?」といった疑問の声が多数寄せられていた。
やはり、少なくない人が「道路に規定された最低速度で走れるのか」という点に疑問を抱いているようだ。
そこで今回は、フォークリフトの首都高走行における問題点をめぐり、フォークリフトを製造する某メーカー、ならびに「首都高速道路」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、様々な事実が明らかになった。
■首都高は「走行可能」認める
当該の写真に写った案内表記を見ると、こちらは神奈川県川崎市「東扇島」出口の付近で撮影されたものと分かる。

こちらを踏まえ、メーカーの担当者は「この付近には工場や港が多いため、荷下ろしなどの作業で使用されるフォークリフトかと思われます」と、分析していた。
また、フォークリフトが公道を走行する際には「大型特殊免許」が必要となるほか、車両の仕様上、速くとも35km/h未満の速度でしか走行できないことが明らかになった。
つまり前述の免許があればフォークリフトの「公道走行」自体は問題ないのだ。…となると、やはり気になるのは首都高における「速度上の問題」の有無である。
しかし、こちらの疑問に対し、首都高速道路の広報担当者からは「フォークリフトによる首都高速道路の走行は可能です。車両寸法等により、『小型特殊自動車』『大型特殊自動車』に分類され、車種区分に応じた料金が適用されます」との回答が得られたのだった。
その背景については、「首都高速道路は、一般的な高速自動車国道のような法定の最低速度(50km/h)の規定はありません」と、説明している。
つまり、フォークリフトの「首都高走行」についてもルール上、問題がないと判明した。加えて、速度が出ない車両のため、左側車線を走っているのもグッドマナーである。