「あの人、週末どこ行ってたの?」「彼氏いるの?」「給料どのくらい?」
職場でそんな質問をしてくる“詮索好きな同僚”に心当たりはありませんか?
無邪気な好奇心のつもりかもしれませんが、受け取る側にとっては不快で、何よりも精神的に消耗する存在です。
米ボストン大学(Boston University)は最近、職場における「おせっかい」「詮索行動」が従業員のストレスや生産性にどう影響するかを調査。
その結果、詮索好きな同僚が多い職場では、従業員のストレスレベルが明確に上昇していたのです。
研究の詳細は2025年4月3日付で学術誌『Journal of Business and Psychology』に掲載されています。
目次
- おせっかいと受け取られる行動とは?
- 詮索は情報共有を妨げ、ストレスを引き起こす
おせっかいと受け取られる行動とは?

職場での「おせっかい」「詮索行動」は、日常的に見かける割に、これまで科学的な定義が存在しませんでした。
人によって受け取り方が違い、線引きがあいまいだからです。
「ただのフレンドリーな会話」と受け取る人もいれば、「プライバシーへの侵入」と感じる人もいます。
そこで研究チームは今回、まず350人の若年成人に対して、「職場でどんな言動が“おせっかい”に感じられるか」を尋ねる大規模調査を実施。
そこから明らかになったのは、「過度な質問攻め」「噂話への執着」「私生活に関する侵入」などが詮索行動として受け取られていました。
チームはこの調査結果をもとに、「おせっかいスケール(nosiness scale)」なるものを独自に開発。
これは、同僚の詮索度を「仕事中の出来事への干渉(職業的おせっかい)」と「私生活への干渉(プライベートなおせっかい)」の2軸で評価できる指標です。
このスケールを用いた研究によって、職場における詮索行動は、単なる性格的な違いではなく、組織全体の文化や雰囲気と密接に関係していることが明らかになってきました。