また、過去のデータを味方につけることも重要だ。「新規顧客の2年目購買額は1.8倍」という具体的な実績は、どんな言葉よりも説得力がある。日頃から、こうしたデータを蓄積しておくことが、いざという時の武器になる。
そして何より大切なのは、数字を使って未来を描くことだ。現状の問題点を指摘するだけでなく、改善後の具体的な姿を数値で示す。それが、前向きな議論を生み出す。
田中課長は今、B課との連携プロジェクトを進めている。既存顧客からの紹介による新規開拓は、従来の3倍の成約率を記録し始めた。数字と向き合い続けた結果、ピンチは大きなチャンスに変わったのだ。
あなたの部署にも、まだ見えていない数字があるはずだ。それを見つけることが、次の飛躍への第一歩となる。
尾藤 克之(コラムニスト・著述家)
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22冊目の本を出版しました。
「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)