なぜチーズは悪夢を呼ぶのか?専門家が語る3つの犯人
栄養士のアミー・アレクサンダー氏は、チーズが悪夢を誘発する理由として、主に3つの要因を指摘する。
** ■消化への負担 ** チーズに含まれる脂肪やタンパク質は消化に時間がかかり、体温を上昇させる。夜中に消化器系が活発に働いていると、体は深い休息状態に入れず、眠りが浅くなってしまう。
** ■睡眠物質「トリプトファン」 ** チーズには、睡眠に関わる神経伝達物質(セロトニンやメラトニン)の元となるアミノ酸「トリプトファン」が含まれる。これがセロトニンのレベルを高め、鮮明な夢を見るREM(レム)睡眠に影響を与える可能性がある。
** ■覚醒物質「チラミン」 ** これが最大の犯人かもしれない。特に熟成チーズに多く含まれる「チラミン」という物質は、心臓や脳の活動を活発にする刺激物質「ノルエピネフリン」の放出を促す。これにより夢がより強烈になったり、悪夢を記憶しやすくなったりするのだ。
ブリーやチェダー、ブルーチーズの一種であるスティルトンは熟成期間が長く、チラミンが豊富だ。一方、モッツァレラは熟成させないフレッシュチーズのため、チラミンの含有量が極めて低い。これが、ランキングの結果に直結していると考えられる。

議論はまだ終わらない?チーズ好きへのアドバイス
ではチーズ好きはどうすればいいのか。研究チームは「チーズを楽しむなら、就寝の2〜4時間前までに済ませることをお勧めします」とアドバイスする。
しかし、話はそう単純ではない。実は過去に英国チーズ委員会が行った研究では「チーズはむしろ快眠を助ける」という真逆の結果が出ているのだ。その研究では、悪夢を見た参加者は一人もいなかったという。
今回の研究結果は、古くからの言い伝えを裏付ける衝撃的なものだった。しかし、反論も存在する以上、チーズと悪夢をめぐる議論は、まだしばらく続くのかもしれない。今夜、あなたが食べる一切れのチーズが、どんな夢を運んでくるかは、あなた自身で確かめてみるしかなさそうだ。
参考:Daily Mail Online、ほか
文=深森慎太郎
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