トランプ米大統領は20日、国際的な法人最低税率協定は「アメリカでは効力を持たない」と宣言した。これはバイデン政権が約140カ国と交渉して2021年に締結した、最低税率を15%とする租税カルテルから離脱するものだ。

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これはそれほど予想外の政策ではない。彼の1期目にも共和党は、法人税を20%に下げて国境調整税(連邦消費税)を創設する税制改革を提案したが、民主党の反対で葬られ、トランプは減税だけをつまみ食いした。
今度は連邦消費税の代わりに、関税で税収をおぎなうつもりらしい。それは無理だが、トランプ関税をやめて法人税(法人所得税)をゼロにすればアメリカは世界最大のタックスヘイブンになり、トランプの望むように投資が世界から集中して税収は増えるだろう。
対米追従の得意な日本も、トランプ政権に追随し、法人所得税率をゼロにしてはどうだろうか。その代わり法人売上税(消費税)を20%に上げ、税収中立にするのだ。
法人所得税は間違った税であるグローバル企業が登記上の本社を任意の国に設置できる世界では、法人所得税は間違った税である。それはタックスヘイブンによる租税回避を促進し、税負担を不公平にする。
それは支払い利息を経費として控除する一方、株主への配当には課税するので二重課税になり、企業は株式より借り入れで資金を調達するバイアスをもつ。
消費税は企業の付加価値に課税する「第二法人税」だが、誤ったネーミングのために消費者がすべて負担すると誤解され、減税ポピュリズムの原因になっている。
この名前を法人売上税(あるいは単に売上税)と改めれば、消費税を極度にきらう大衆のバイアスも避けられ、捕捉率のバイアスも補正できる。
消費税から「法人売上税」へ国境調整税(DBCFT)はそれほど奇抜な提案ではなく、クルーグマンからフェルドシュタインまで、ほとんどの経済学者が賛成している。それに従って日本の法人税改革案を考えると、次のようになる。
法人の営業キャッシュフローに課税する 減価償却を廃止し、投資はすべて経費として控除する 税額はすべて最終財の売上げに転嫁できる 消費地で課税し、海外の利益には課税しない 金利にも配当にも課税する