その後もアオイソメには多くのエサ取りが触ってくる。水温が上がって動きが活発になっているのだろう。ちなみに、アケミ貝は時折きれいになくなるものの、大半はそのまま戻ってくる。新しいエサでどうしても1匹欲しいので変更せず粘りの釣りを続けた。
そして午後7時ごろになると、あれだけ多かったエサ取りの反応がピタリとやむ。すると10分ほどでアオイソメに軽快なアタリ。上がってきたのはかわいらしいメソウナギだ。その後、再びアオイソメに同型のウナギが掛かったので、サイズアップのため2本ともアケミの房掛けに変更した。
ウナギがフィーバー状態に
その直後から小雨が降りだした。辺りの雰囲気はさらに良くなり、いや応なしに期待が高まる。
そして午後8時を過ぎたころサオ先に大きなアタリ。アワセを入れると、ずしりとした重量感と重々しい抵抗感。上がってきたのは上々サイズのウナギ58cmだった。
それを皮切りに1時間ほどで56cmを筆頭に4匹のウナギが掛かった。ウナギフィーバー到来に午後9時以降の下げ潮に期待が膨らむ。しかし、下げ潮を目前に風と雨がだんだん強くなり始め、やがて先があおられるほどの強風になったため、無理はせず納竿とした。

冷凍アケミ貝の可能性
60cmオーバーは次回までお預けとなったが、新しいエサの冷凍生アケミ貝の活躍を確認できたのは収穫だった。夏の猛烈な暑さや大雨による増水の影響により、アケミ貝は身痩せや不安定な掘れ上がりなどの問題が生じている。今後この新しいエサが良質なアケミ貝の安定供給につながることは間違いないだろう。
<週刊つりニュース中部版APC・桑山卓久/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年6月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。