車検や修理などでしばらく愛車を預ける際、「どんな代車が来るのか」と期待してしまう人は多いでしょう。いつもと違う車内の空気や運転感覚は、カーライフに小さな刺激を与えてくれます。

思わず「ラッキー」とニンマリしてしまう車から、「マジか……」と息をのむような車まで、用意される代車は実にさまざま。あてがわれる車種には運が大きく絡むことから、SNSなどでは「代車ガチャ」なる言葉も散見されます。

今回は「代車にまつわるエピソード」について、ドライバーの方々に話を聞きました。

目次
高級代車に気分は爆上がり!
ボロボロの代車には懐かしのアノ装備が……

高級代車に気分は爆上がり!

一般に、代車サービスはそう頻繁に利用するものではありません。せっかくの機会ですから、「上級な車に乗ってみたい」「性能のいい車に乗ってみたい」など、普段では乗れない車種を期待する人も多いでしょう。

「普段はプリウスに乗っているのですが、ディーラーに車検に出した際、あてがわれたのがレクサスのGSでした。型落ちではありましたが、さすがに気が引けて『こんなの借りて、大丈夫なんですか?』と聞くと、『すみません、都合がつくのがコレしかなくて』と。

自分じゃ絶対乗れない車ですし、せっかくなので勢いのまま有休をとって日帰り旅行に行ってしまいました。ガソリン代は痛かったですけど、車内の上質感とか、やっぱり高級車は違うなぁと気分が上がりましたね」(50代男性)

このケースでは図らずも上級車種が用意されたようですが、ディーラーにとって、代車は購入を実際的に検討してもらうためのチャンスでもあります。そのため状況によっては、試乗の意味合いも込めて「ちょっといい代車」を配備してくれる営業担当もいるようです。

このほかにも、「普段はアクセラだがロードスターを用意してもらえた」など、代車で思わずテンションが上がってしまったという話がいくつか聞かれました。こうした「ガチャ要素」が、代車のワクワク感を高めてくれるポイントなのでしょう。

ボロボロの代車には懐かしのアノ装備が……

一方で、代車サービスは店舗側の好意で行われていることも多く、コストのかからない軽自動車やコンパクトカーが用意されることも珍しくありません。もちろん贅沢を言うことはできませんが、あまりに古い車をあてがわれて仰天したという声も。

「車のことはいつも付き合いのある修理工場に任せているのですが、車検を予約していた日の前日に、店長から『代車が古い軽しか用意できていない』という連絡がありました。

まぁ数日の間ですし、問題ないと答えたのですが、実際に行ってみると思っていたよりボロボロで……車内はタバコとホコリのニオイがして、走るとキイキイ鳴りますし、なにより衝撃だったのは窓が手回し式だったことです。

小さい頃、父の車に乗って以来はじめてクルクルと窓を開けて、懐かしいのと同時に、なにか虚しい感じもありましたね」(30代男性)

代車の運転には「普段とのギャップ」がつきものです。しかし、この時代に手回し式のウインドウはなかなかインパクトが強かったかもしれません。

手回しで窓を開閉するシステムは「ウインドウレギュレーター」などと呼ばれ、現在でも商用モデルなどの一部グレードにおいては採用例が見られます。とはいえパワーウインドウに慣れ親しんだ世代にとっては、思わずギョッとしてしまうポイントになるのでしょう。