2019年に発売されたトヨタ グランエースは、全長5.3m、全幅1,9mという堂々たるボディを持つフルサイズミニバンです。 中古市場での実質的なライバルは、同じトヨタのアルファード/ヴェルファイアですが、セミボンネットスタイルに上質な室内空間というパッケージは、メルセデス・ベンツのVクラスもターゲットに入ってきます。
ハイヤーやはじめ、高級ホテルや旅館なの送迎に引っ張りだこ
トヨタ グランエースは、セミボンネットを備える箱型の大型ミニバンで、ハイヤーをはじめ、高級ホテルや旅館、空港などの送迎ニーズを見込んで発売されました。 もちろん個人ニーズも見越しているはずですが、街中で見かける限り、個人よりも法人需要のほうが高いようです。 惜しまれながらも2024年で販売を終了したグランエースについて、どんなモデルなのかを解説しつつ、中古車市場の現状を紹介します。
送迎ニーズを満たすフルサイズミニバン

2019年12月に誕生したグランエースは、海外向けの300系ハイエースをベースに開発されました。 デビュー当時の注目度は高かったものの、2024年4月に生産を終えています。 日本国内における1年間あたりの販売目標台数は600台で、販売終了までに3000台弱が国内のユーザーの手に渡りました。トヨタ車としては、もう少し売れても不思議ではないといえるかもしれません。
全長5.3mの堂々たるサイズに最大8人乗りの室内

ボディは、全長5,300mm×全幅1,970mm×全高1,990mmとフルサイズといえる大きさです。 最小回転半径は後輪駆動のFRであるため、5.6mと抑えられていますが、大きいことは間違いなく、駐車場や自宅周辺の道路事情によっては持て余すことにもなるかもしれません。 室内は、3列6人乗りの「Premium」と、4列8人乗りの「G」という2タイプを設定。とくに「Premium」は3列目までゆったり座れる設計で、3列目の居住性は国産ミニバン随一といえるレベルです。 いっぽう4列仕様「G」の4列目は、ヒール段差(床から座面前端部までの高さ)こそ低めですが、短時間であれば大人でも実用になる広さを備えています。 国産ミニバンのなかではステップ、床面が高めではあるものの、リヤスライドドアの開口部が大きく、大柄な人でも余裕を持って乗降できます。










3列シート仕様は、足元、頭上の余裕だけでなく、シートサイズも大きく、両仕様ともに質感の面でも高級車にふさわしい仕上がりといえます。 4列仕様のラゲッジは、通常時だと奥行きは短く、座面をチップアップして前にスライドさせると実用になる広さが出現します。 個人ユースに向くのは、3列仕様の「Premium」で、2列目と3列目を前に出すと大きな荷物の積載にも対応します。