無理に5Gにこだわらない

 他にも、体感品質向上に向けたKDDI独自の取り組みもあるという。

「ビッグデータを使ってお客様の体感が実際にどうなっているかを調査して、品質改善につなげるといった取り組みも行っています。2023年頃からは、第三者機関の評価なども取り入れて、他キャリアと比べてどのようになっているのかといった点も含めてお客様の体感品質を追求しています。

 例えば基地局まわりのチューニングとして、Sub6は高速な通信なのでもちろん使っていただきたいのですが、あまり無理してエリアの端で使っていただくようになると、逆に通信品質が落ちてしまうというケースもあります。いわゆる『パケ止まり』が起きたり、接続するまでの待機時間が非常に長くなったりといったことが起きます。そういった際には5GではなくLTEに接続したほうが通信品質がよくなるケースがあるので、必ずしも5Gにこだわらないという仕組みもつくっています。このように、面がしっかりとできている転用周波数を使っていただくことで安定して通信が使えるようにするといったチューニングも行っています。一人一人のお客様の状況に応じてきめ細やかなチューニングを行っていけるよう取り組んでおります。

 また、通信は伝送路を経由して相手側の携帯電話につながるという仕組みなので、ネットワーク全体でどういうふうにすれば品質が良くなるかといった総点検を入念に行い、『どういう伝送経路を通ると、より最短で遅延が少なくなるか』といった検証も行っております。特にこの1~2年はかなり細かいチューニングを積み重ねて、一つ一つの効果は小さいかもしれませんが、その結果が今につながっているのだと考えております」(同)

新料金プラン発表

 KDDIは5月、新料金プランを発表。6月3日から新料金プラン「auバリューリンクプラン」を提供する。既存プランについて8月1日から月額110~330円値上げし、新機能や新たなサービスを追加する。

(文=BUSINESS JOURNAL編集部)