世界が再びきな臭い匂いに包まれている今、私たちは歴史の陰で未来を「見ていた」とされる人物たちの言葉に、改めて耳を傾けるべきなのかもしれない。彼らは何を予見し、何を警告しようとしていたのか。偶然か、神の啓示か、それとも鋭い洞察力か。ここでは、戦争という人類の悲劇を驚くべき正確さで予言した、5人の予言者たちを紹介する。
1. 理性で未来を射抜いた金融家:イヴァン・ブロッホ

予言が必ずしも超能力の産物ではないことを、イヴァン・ブロッホは証明している。彼は予言者ではなく、ポーランドの銀行家であり鉄道金融家だった。しかし、彼は趣味で始めた近代戦争の研究に没頭し、1898年に出版した全6巻の著作『未来の戦争』で、第一次世界大戦の様相を恐ろしいほど正確に描き出した。
彼は機関銃や殺傷能力の高いライフルの登場により、旧来の開けた場所での突撃は無意味になると分析。「未来の戦争では、スペード(塹壕を掘るシャベル)がライフルと同じくらい重要になる」と述べ、両軍が塹壕に籠城する泥沼の消耗戦を予測したのだ。経済的・社会的な崩壊、飢饉、疫病の蔓延…。彼の警告は軍指導者たちに一笑に付されたが、その16年後、ヨーロッパは彼が描いた通りの地獄を経験することになった。
2. 眠りながら神の啓示を得た予言者:エドガー・ケイシー

「眠れる予言者」として史上最も有名なエドガー・ケイシー。彼は睡眠状態でトランスに入り、病気の診断から未来予知まで、数々の奇跡的なリーディングを行った。彼の予言の中でも特に有名なのが、第二次世界大戦に関するものだ。
1935年、彼は「オーストリア、ドイツ、そして日本が同盟を結ぶ」と述べ、世界が軍事主義によって火の海になるだろうと警告した。この予言は、1940年の日独伊三国同盟の締結によって現実のものとなる。さらに彼は、1947年に発見される「死海文書」についても、その存在を詳細に語っていた。彼の死から2年後、実際に死海文書が発見され、世界は再び彼の能力に驚愕した。