実際、市場が冷え込む中でも「攻めのピボット」で成功を掴んだ企業は数多く存在する。自分自身もマクロ環境を無視して手数と行動力で仕事がなんとかなったという感覚がある。イメージ、当たりくじを求めてガチャを回し続ける感覚だ。

「頑張れば人生が変わる」と主張する経営者やフリーランスは、この能動性から来る成功体験でそういっているのだ。

「頑張り方」の適正が重要

「耐える」と「頑張る」は、時間軸とアプローチが正反対であるため、適性が分かれる。

たとえば筆者のよく知る経営者たちの中には、ビジネスではかなりの成功をおさめたのに、株式投資の短期トレードなどで損失を出し続けてしまう人がいる。

彼らは「人生を好転させるには行動力こそが重要」と考え、ビジネスで行動力MAXで頑張るやり方をトレードにも持ち込んでしまう。買った後は長期ガチホしておけば勝てたのに、難しい相場でガチャガチャと短期で売り買いをして余計に損失を拡大させてしまうのだ。

個人的な感覚として、非常に能動的で行動力のある経営者やフリーランスは「耐える」という頑張り方が不得手な人が多いという印象がある。「苦しいことを我慢するなら、もっと苦しくても頑張って切り開く頑張り方の方が気持ちが楽だし合理的」という思考を持っているのだろう。

その逆に耐えるのが得意な人は節約、食事制限は得意だが、副業や起業には手を出さない。「必死に努力するより、苦痛に耐える方がいい」と考える事が多いのだろう。おそらく、こうした気質の人達は独立しない方が良い。独立するとじっと動かず、耐え忍んでも好転することはないからだ。

「頑張るか?耐えるか?どちらが正しいか」という観点ではなく、どちらが自分に向いているかを見極めるのが良いだろう。

筆者は完全に「頑張る」方に適正があるタイプで、苦しみに耐えるのは苦手である。あまり散財するタイプでもないし、物欲もないが昔からなにか欲しいものがあれば、節約するより仕事量を増やした方が気持ちが楽という感覚を持っていた。