政治を流行り廃れで括ってはいけないことは百も承知でありますが、自民党が時代の波に乗れていないことは事実だと思います。その点はこのブログで何度も指摘してきたことで、図体がデカく、党内力学が複雑、換言すれば自民党の中にもう一つの政治舞台があり、党内の右派、左派、強硬派、懐柔派などがガチガチ戦っているのです。茶の間の会話で「あなた、今回の選挙、どうするの?」「そりゃ、自民党」「でも、どの自民党にいれるの?」「おー、そうだな、それは選挙で選べないな」ということなのです。

自民党に7色の虹のように様々な色がついていることで有権者がわけわからなくなっている、これが今の体制のわかりやすい表現だと思います。石破政権は7色の虹でも今までなかった非主流の色ですが、国民の「お試し期間」が過ぎようとしている中での参議院選挙となります。

前哨戦とも言われた都議選の結果があまりに極端な結果に出たのは私の想定を超えていたと思います。極端というのは負け組側は自民党が過去最低、公明は9連続全員当選ならず、再生の道は42人全員落選、田村共産丸も凋落止まらずです。一方、勝ち組はなぜか国民民主の初9議席ゲット、参政党も3議席、そして都民ファは小池百合子氏の絶大なる安定感で大勝となりました。

それぞれの勝因、敗因はあると思うのですが、東京にいながら俯瞰するとやっぱり東京は高齢者と保守層主体なんです。まぁそこそこの暮らしができるし、資産的には不動産などの価値もあり、全国と比べるとゆとり層が多いのが事実。そこにもってきて小池氏は水道代の基本料金を6月分から9月分までの4か月無料を打ち出しました。ひと月1000円程度だと思いますが、こういう政策は「ありがたやー」なのです。そして小池氏は「水道は東京都水道局。だから即決できる」点が評価されたと思います。

これが自民党ならばそういうわけにはいかないのです。党内であれこれいう人がいる、更に重鎮がいるので相手を蹴散らかしてでも政策実行できる小泉氏のような強さを持つ人ばかりなら良いのです。しかしながら、石破氏の演説を聞いていると国民一人当たり2万円配布に関して自分で「不人気な政策」と述べるところに強烈な違和感を感じるのです。もう一つ、最近、石破氏の顔が険しいのです。当選当時の柔和さは全くなく、ひきつっているようにすら見えます。

党首討論での石破首相 首相官邸HPより