米軍は21日夜(日本時間22日午前)、イランの3つの核施設に爆弾を投下した。その直後、トランプ大統領はホワイトハウスから国民に向かって演説し、「米軍の攻撃は成功した。イランの核施設は完全に破壊された。イラン政府は平和の道を選択するか、それとも破壊の道を行くか決めなければならない」と指摘した。そして「イランが報復攻撃に乗り出し、米国人に被害が出た場合、今回以上の激しい攻撃を行うことになる」と警告を発した。
トランプ大統領はイラン攻撃参戦の理由として、「イランは3週間内に10個の核兵器を製造する計画だった。国際テロ組織を支援するイランが核兵器を保有すれば世界は恐ろしいことになる」と説明した。「イランが10個の核兵器を3週間内に製造する間際だった」というトランプ氏の発言内容は今回初めて明らかにしたものだ。ちなみに、ギャバード米国家情報長官は3月、「イランは核兵器を製造していない」と発言している。トランプ氏は今月20日、同長官の発言を「間違っている」と否定したばかりだ。
米軍の参戦に対して、イスラエルのネタニヤフ首相は「トランプ大統領に感謝する。歴史的転換の日だ」と歓迎し、「平和はまず力で実現されるものだ。その逆ではない」と強調した。
一方、イランのアラグチ外相は「米国は国連憲章を無視した犯罪だ」と批判し、国連安全保障理事会に米国のイラン攻撃についての緊急会合を要請すると共に、「わが国は報復する」と主張した。また、イラン原子力担当関係者は「われわれは核開発計画を継続する」と述べた。同国当局によると、米軍がバンカーバスター弾を投下したフォルドウの地下濃縮施設は上部が破壊されたが,地下の施設には問題がないという。ちなみに、米軍が攻撃した3か所の核関連施設はナタンズのウラン濃縮施設、イスファハン施設、そしてフォルドウ地下施設。ウィーンの国際原子力機関(IAEA)によると、イランの3か所の核関連施設からの放射能漏れは今のところ報告されていないという。