業者による自動車の買取価格は、同じ車種であっても年間を通じて見ると、高い時期と安い時期があることはご存知のとおりです。 「愛車はベストなタイミングを見極めて売却したい!」と考える方にとって、おおいに気になる買取相場を車選びドットコムが独自に収集したデータを基に2025年4月以降の予測をレポートします。

愛車の売却を考えている人は夏前までに決断を

車買取相場5か年推移(2025年4月速報値)
(画像=『車選びドットコムマガジン』より引用)

春先の需要期に向けて、過去5年間でもっとも高値で推移していた買取相場ですが、中古車需要が落ち着いた3月には、前年とさほど変わらない相場価格に落ち着きました。 その要因のひとつは、前年同月比で7〜9%増加したオークション出品台数に対し、成約率が低下ていることです。ここからは、供給量の過多や買い手がこれまでよりも慎重になっていることが読み取れます。 ただし、「車選びドットコム」が蓄積した統計データによる予測では、4月をボトムに買取価格は昨年以上の相場で上昇し、夏前には統計を取り始めて以来の最高値を更新しそうな気配です。 とはいえ、ここ最近ニュースを賑わせているアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領の関税政策が実行されれば、アメリカでの日本車価格が高騰し、日本国内で製造しているアメリカ向け車両はだぶつくことになるかもしれません。 そうなるとメーカーは生産を一時停止するか、日本国内を含む他の仕向地向けに生産体制をスイッチする必要が出てくるでしょう。 その際、日本国内向けに生産が振り向けられれば、国内の納期遅れが解消されることになり、現在は高値が付いている新古車や、新車登録から1年以内の買取価格が落ち着く可能性があります。 懸念されるのは、アメリカがこのまま高い関税を課し続ける場合、各国が報復関税を検討し、対アメリカ経済における不安定要素が増加することです。その結果、株価が下落し、投資マネーが比較的安全とされる“円”に流れ込み、円高傾向が強まることになります。 ちなみに2025年4月15日現在、年初には150円台後半だった為替相場は、トランプの関税政策の発表によって、140円台前半まで円高が進行しています。 こうなると、ドル建てで取引している業者は、利幅を縮小するか価格を上げるかの選択を迫られ、結果として買取価格が下がる可能性があります。 反対に、アメリカの関税引き上げは、間接的に各国の新車価格の上昇を招くため、世界的に中古車需要が高まる可能性があり、買取価格がさらに上昇する余地も残されています。