大きい政府志向の話では全然ダメですよ。まずは造船会社の事業統廃合ですよ。中国や韓国に負けたのは、それができなかったから。極論を言えば、今治や常石あたりを合併させて、すべての造船所をその傘下に入れるべきですよ。
まずは潜水艦の事業統合ですよ。隣り合わせで神戸にある三菱重工と川崎重工が、それぞれ同じ潜水艦を作っている。そして微妙に設計も異なる。事業を統合すれば、管理も一つにまとまって人員も削減できる。また、不要なベンダーも削減できて、生産性が上がります。何なら一つ潰してもいい。これが例えばリスク回避だというならば、片方が神戸、片方が川崎とかならまだわかりますが、隣ですから。
そもそも16隻で潜水艦を廃棄してきたのは、造船学や軍事上の合理性ではなく、単に二つの造船所を維持するためだけでした。二つのドックを維持するならば、輸出を前提にすべきでしょう。例えば、ドイツのような小型の潜水艦を作って売ればよろしい。やたらに大きいだけの日本の潜水艦は売れません。武器輸出の原則を変えるべきです。
護衛艦や軍艦も同じ。さらなる事業統合が必要です。それが嫌なら、輸出できる環境をつくって、メーカーにもそれを飲ませるべきです。現在は実質的に防衛向けの国営企業ですから、性能もコストも向上しません。輸出市場でもまれないと、海幕や装備庁の頭がおかしいレベルの要求も変わらないでしょう。
官民造船所は、まずは事業統合を民間に促して、国営造船所の話はそれからです。それも国営ではなく、政府も出資した株式会社にして、黄金株を政府が持てばいいだけです。そうして経営の透明性と外部からの監視をしないと、衰退するだけです。
現状で国営造船所をつくって金をばらまくのであれば、税金を使って造船業界を甘やかし、弱体化させるだけです。それで喜ぶのは中国と韓国です。日本人の税金を浪費して中韓の利益を図ることは、国益とは言いません。

海上自衛隊HPより