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米国によるイラン核施設攻撃
米国のトランプ大統領は、イランの核施設3カ所に対してアメリカ軍が攻撃を行ったと発表した(ワシントン・21・ロイター)。
6月21日、トランプ大統領はSNSに
我々は、フォルドウ、ナタンズ、イスファハンの3カ所の核施設への攻撃を大成功のうちに終えた。主要な核施設であるフォルドウには、満載の爆弾が投下された。すべての飛行機は安全な帰途に就いている。このようなことが出来る軍隊は世界中探しても他にないだろう。これはアメリカにとって歴史的な瞬間だ。イランは今すぐこの戦争の終結に同意しなければならない。
と書き込んだ。
イランの核開発
イランは、かねてよりロシア、中国、北朝鮮と友好協力関係にあり、北朝鮮の核開発にも協力したとされる。イラン自身も核開発を進め、最近では核兵器製造に必要な高レベルのウラン濃縮技術を取得しつつあるとみられている。「核保有国」になるのもイラン指導部の意思次第の状況と言えよう。
この状況に危機感を持ったイスラエルは、先般「自衛のために」(イスラエル指導部表明)イランの核施設等を攻撃した。しかし、地下60メートルを超える主要な核施設を壊滅させる爆弾はイスラエルにはなく、米国しか保有していない。今回の米国トランプ大統領の決断は同盟国であるイスラエルを擁護し、イランの核開発を阻止する目的のものと言えよう。
イランの反撃は限定的か
イランは、先般のイスラエルの攻撃により制空権を失った可能性が有り、そのため、今回の米軍の航空機による攻撃を許したと考えられる。そうだとすれば、イラン単独の反撃は限定的であり、ロシア、中国、北朝鮮による大規模な軍事支援が無い限り、戦争終結に同意する可能性も否定できないであろう。
ロシア、中国、北朝鮮は、米国との全面戦争を恐れ、イランに対し大規模な軍事支援は抑制するであろう。そうなると、米国とイスラエルの二正面作戦を強いられるイランには勝算はないであろう。