何故イタリアがこんなにも低いのか不思議ですね。

4. 対国内総生産比の推移

続いて、各経済活動における国内総生産(Value added, gross)に対する比率でも比較してみましょう。

図4 固定資本減耗 対国内総生産比 教育OECD Data Explorerより

図4が教育分野における固定資本減耗 対国内総生産比の推移です。

日本が非常に高い水準が継続しているのが特徴的です。

このグラフを見ると、日本は教育分野への投資が非常に多く、労働者の資本装備率も高い水準という事になります。

一般的に教員不足と言われますので、相対的に労働者が少ない事の裏返しかもしれませんね。

図5 経済活動別 労働者数シェア 教育OECD Data Explorerより

図5が労働者全体に占める教育の労働者数シェアです。

日本は他国と比べると圧倒的に労働者数が少ない事になります。

相対的に少人数で過負荷な労働環境なのかもしれませんね。

統計データから見える印象と、世間で見聞きする実態とを結びつけて考えてみると、とても興味深い傾向です。

5. 対国内総生産比の国際比較

最後に、対国内総生産比の国際比較をしてみましょう。

図5 固定資本減耗 対国内総生産比 教育 2022年OECD Data Explorerより

図5が2022年の固定資本減耗 対国内総生産比の国際比較です。

日本は25.5%で公務同様に先進国で最も高い水準となっています。

イタリアが非常に低い水準というのも特徴的ですね。

6. 教育の固定資本減耗の特徴

今回は経済活動のうち教育分野の固定資本減耗について着目してみました。

日本は労働者1人あたりの金額で見ても、対国内総生産比で見ても非常に高い水準に達しているようです。

労働者数のシェアを見ると圧倒的に少ないようです。

統計データを素直に受け止めれば資本装備率が高く少ない労働者で教育の経済活動を回せているとも言えますが、単純に労働者(教員)が少ない事の裏返しのような計算結果とも言えそうです。