気温が上がるこの季節、コンビニや自販機で冷たい清涼飲料水を買って一気に飲み干す——そんな習慣がある人は多いかもしれません。

シュワっとした炭酸飲料や甘いスポーツドリンクは、暑さを忘れさせてくれるような快感があります。

でも、ちょっと待ってください。

最近、SNS上では「ペットボトル症候群」への注意喚起が話題になっています。

これは、ジュースや炭酸飲料などの“甘い飲み物”を日常的に飲み続けることで、血糖値が異常に上がり、急性の糖尿病のような症状を引き起こしてしまう現象です。

清涼飲料の多くは、非常に大量の糖分が含まれているため過剰摂取に注意が必要ですが、それに加えて注意すべき問題が新たに報告されました。

アメリカのブリガムヤング大学(Brigham Young University)とドイツのパーダーボルン大学(Paderborn University)などの国際研究チームが、清涼飲料水の摂取と糖尿病リスクの関係を明らかにする大規模な調査研究を行ったところ、「飲み物として摂る糖分」は「食べ物として摂る糖分」よりも、2型糖尿病の発症リスクを大きく高めることがわかったのです。

果たして「飲む糖分」は「食べる糖分」とは何が違うのでしょうか?

この研究の詳細は、2025年3月に栄養学に関する科学雑誌『Advances in Nutrition』に掲載されています。

目次

  • 砂糖は摂取方法で影響が異なる?
  • 明確な差があった「飲む砂糖」と「食べる砂糖」

砂糖は摂取方法で影響が異なる?

Credit:canva

これまでにも、砂糖の過剰摂取が肥満や糖尿病などの生活習慣病につながることは広く知られてきました。

とくに「砂糖入り飲料(SSB:Sugar-Sweetened Beverages)」が健康に悪影響を及ぼすことは、多くの疫学研究で指摘されており、一般にもペットボトル症候群という呼び方で広まっています。