トランプ米大統領の号令待ちといった感じだが、イスラエル軍のイラン攻撃はいよいよ最後の一撃を加える段階に突入してきた。戦争嫌いで知られるトランプ氏のことだから米軍の参戦を最後の土壇場で避けるかもしれないが、イスラエル側は米軍の参戦云々とは関係なく、イランの核関連・軍事拠点に最後の一撃を加えることに躊躇しないだろう。

テヘランの集会、トランプ大統領の発言を非難・イスラエルの犯罪を非難 2025年6月18日 Tasnim通信から
一方、イランのハメネイ師は依然、「米軍の脅しに屈してはならない」と強がりを言っているようだが、本人は地下壕に入って身を潜めている。ちなみに、イスラエルでは敵軍の攻撃が近いと軍当局が警報を流して国民に通報し、国民はすばやく近くのバンカーに逃げることができる。イランの首都テヘランの場合、市民が直ぐに逃げることができるバンカーはほとんどない。
イスラエル軍の攻撃が激しくなってきたことを受け、テヘランから避難する市民の車の列が長く、道路は渋滞状況だ。ただし、車に必要なガソリンだが、世界有数の原油輸出国イランでは国民は車一台で15リットルしかガソリンを入れることができない。ガソリンの配給制だ。だから、車で家族と一緒に避難しようとしても15リットルのガソリンが切れたならそれまでだ。
もちろん、ペルシャ民族の国民は賢明だから、「Xデー」のためにガソリンを蓄えてきた人も少なくないはずだ。国が国民の危機管理に関心がないので、国民は自身の危機管理をして生き延びていくしかないのだ。
イランから空路で隣国に逃げようと考えるエリート国民はいるだろうが、テヘラン国際空港は既にイスラエル軍によって攻撃を受け、飛行機の離着陸ができない状況だ。軍ヘリコプターはあるが、それは命取りとなる危険が伴うのだ。
思い出してほしい。ハメネイ師の後継者と見られたライシ大統領は昨年5月19日、搭乗していたヘリコプターの墜落事故で死去したのだ。大統領が登場するヘリコプターが部品不足で墜落したのだ。米国がイランに制裁しているために飛行機部品が手に入らないのだ。