実験で判明した衝撃の事実

 墜落後、研究チームは機体の残骸とダミー人形の状態を徹底的に調査した。その結果は非常に興味深いものだった。

 まず、ファーストクラスやビジネスクラスといった快適な座席が並ぶ機体前方。ここに座っていたダミー人形は、生存の可能性がゼロという衝撃的な結果が出た。機体の最前部は12G(重力の12倍)もの凄まじい衝撃を受けていたのだ。

 次に機体の中央部。ここに座っていた場合、骨折などの重傷を負う可能性が高いことがわかった。

 そして、最も生存率が高かったのは機体の後方だった。衝撃は前方の半分である約6Gにまで減少し、生存率が明らかに高いことが判明した。

 さらにこの実験では、「衝撃に備える姿勢」の有効性も証明された。体を丸めて頭を抱えるこの姿勢を取っていたダミーは、直立姿勢のダミーに比べて頭部や背中への深刻なダメージが少なかったのである。

【衝撃の実験】飛行機をわざと墜落させ判明した「一番安全な席」はどこか?の画像4
(画像=画像は「LADbible」より)

専門家が語る「生き残るための席選び」

 この実験結果について、航空専門家のアン・エヴァンス氏は「私の考えを裏付けるものだ」と語っている。彼女によれば、やはり機体の前方は最も脆弱なエリアだという。その上で、「私が好む場所は、翼の上にある中央部か、機体の後方だ」と述べている。

 もちろん、これは特定の条件下での墜落実験の結果であり、あらゆる事故に当てはまるわけではない。それでも飛行機のチケットを予約する際に、少しだけ座席の位置を意識してみるのも悪くないかもしれない。

 願わくば、この知識が役立つ日が来ないことを祈るばかりだが。

参考:LADbible、ほか

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