飛行機での旅行中、万が一の事態を想像したことがある人は少なくないだろう。もちろん、そんな状況は誰しも経験したくないが、もし最悪の事態が起きたなら、少しでも生存の可能性が高い場所にいたいと思うのが人情だ。

 では、飛行機の中で「最も安全な席」は、いったいどこなのだろうか。

「後方の席が安全だ」という説もあれば、「いや、翼の近くが良い」という意見もある。実際、過去の事故では前方の席にいた乗客が奇跡的に助かった例もあり、一概に「ここが絶対安全」とは言えないのが実情だ。

 しかし、この長年の疑問に答えを出すため、前代未聞の実験を行った者たちがいる。なんと、本物のボーイング機を意図的に墜落させたのだ。

前代未聞の「墜落実験」その全貌

 この壮大な実験が行われたのは2012年。アメリカ、イギリス、ドイツのテレビ局などが共同で、ボーイング727-200型機を購入した。目的はただ一つ、「最も安全な座席はどこか」を科学的に突き止めることだ。

 実験の舞台はメキシコの砂漠。まず、機内には様々な姿勢で座らせた衝突実験用のダミー人形、そして多数のカメラや科学的な測定機器が設置された。

 問題は、どうやって飛行機を飛ばし、そして墜落させるかだ。このミッションのために、まずパイロットが操縦して離陸。上空で安全が確保された後、パイロットはパラシュートで機外へ脱出した

 その後は、地上からの遠隔操作に切り替えられ、飛行機は時速約225キロで砂漠に激突した。まさに映画さながらの光景である。

【衝撃の実験】飛行機をわざと墜落させ判明した「一番安全な席」はどこか?の画像2
(画像=画像は「LADbible」より)
【衝撃の実験】飛行機をわざと墜落させ判明した「一番安全な席」はどこか?の画像3
(画像=画像は「LADbible」より)