釣果よりも心に残るのは、ちょっと交わした会話だったりする。「また一緒にやりましょう」と笑ってくれた人。隣で「お互い釣れませんね~」と苦笑いしてくれた人。そういう、釣果では測れない時間が、ちゃんと心に残る。人との出会いが、この大会を特別なものにしてくれているのだと思う。

アジングカップに出てみて思うこと

周りに合わせるのは、ある意味「楽」だし、「正解」もある。「こうしておけば間違いないらしい」「誰々が言っていた通りにやればいい」――そんなふうに、形を寄せていくこともできる。そして、他人と比べるのも簡単だ。「あの人よりマシだった」とか、「自分は全然ダメだな」とか。でも、それだけでは少しもったいない。

最初は、誰かの所作を「真似る」だけでもいい。その模倣を「なぜ?」と掘り下げて考えてみる。その学びから、少しだけでも違う方向に、自分の考えで行動してみる。そのときに「これ、アリだな」と思えたなら、少しだけ自分の所作が芽生える。

そういう経験が、自分の“釣り”を厚く形成していくのだと思う。大会に出ることで、そうした感覚に出会えることがあるかもしれない。だからこそ、自分は時々この場所に戻ってくる。

気軽で緩い大会

……って、ポエムかよ!って自分で思った(笑)。まぁ、要は「誰かの釣り方、パクれそうならパクっちゃおう」的な(笑)。気軽で、緩い大会だ。そんなふうに、軽く楽しみながら、自分の釣りを深められたらいいなと思って参加している。

またこの大会に戻ってきたくなる理由

うまくいく日もあれば、そうじゃない日もある。何なら、自分はほとんどうまくいかない派(笑)。でもこの場所は、自分を俯瞰して見られる場所でもある。うまく言えないが、「早く釣らなきゃ」という焦りの中で、「矯正」や「進化」みたいなものが起きている感覚がある。

ドラグ音と笑い声が交差する、ちょっと不思議で、温かい海。近いうちにアジングカップに出場する予定なので、また誰かと出会えるのが楽しみだ。

「気軽・緩い・ちょっと真剣」なアジング大会の魅力 結果よりも他の釣り人との出会いが成長につながるまた大会に参加してみたい(提供:TSURINEWSライター・刀根秀行)