映像の真相は「宇宙からの理科の授業」だった
では、そもそもなぜ危険を冒してまで、宇宙ステーションに水の入ったコップを置いたのだろうか。
これも、映像の全体を見ればすぐに答えがわかる。この映像は「天宮教室」と名付けられた、中国の宇宙飛行士が地球の子供たちに向けて科学実験を見せる教育プログラムの一場面を切り取ったものだったのだ。
放送全体を見ると、このコップは「宇宙空間では浮力がどう働くか」を、ピンポン球を使って実演するために用意されたものだったことがわかる。別の映像では、宇宙飛行士がストローで慎重にコップに水を注ぎ、ベルクロ(マジックテープ)でテーブルに固定する様子も公開されている。

(画像=画像は「Daily Mail Online」より)

(画像=画像は「Daily Mail Online」より)
一部の冷静なネットユーザーは、「これは物理学だ。表面張力だよ」「これを調べるのに5分もかからないだろうに」と呆れた様子でコメントしている。
結局のところ、今回の一件は、多くの人が抱く「宇宙のイメージ」と「科学的な現実」との間にあった、ちょっとしたギャップが生んだ騒動だったようだ。
未知の世界について語る前に、まずは手の中にあるスマホで、既知の事実を調べる謙虚さが必要なのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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