そこまでするにはシナリオがあるはずです。わたしの読みは将来的にプーチン氏を痛めつけるために将来、北朝鮮に圧力をかけ、ロシアの取り巻きの1つを無力化することにあるとみています。それに乗じて圧政でウクライナ問題も片付ける算段ではないか、と考えています。
ではこの作戦は成功するのか、これが最大の注目点ですが、予断を許さないと思います。イランは確かに長年の経済制裁もあり、あらゆる施設が老朽化し、戦力も物資も不足している中での戦いですのでイスラエル一国相手でも厳しい中、アメリカを敵に回すならば一巻の終わりと断言してもよいでしょう。事実、イスラエルの諜報部隊であるモサドが今回のイラン攻めにおいて果たした役割は尋常ではなく、要人の全ての行動とその予定が全て把握されている状態になっています。故にイスラエルがトランプ氏に「ハメニイ師を暗殺できる状況だがやっても良いか?」と打診した訳です。ここまでくると映画の世界です。
では何が怖いのか、といえば復讐であります。イランはもともとアメリカ嫌い。そしてイスラエルとは犬猿の関係。確かにリング上で正攻法に闘うには厳しいのですが、場外戦で相手が困ることはまだまだできる余力があります。その最大のカードであるホルムズ海峡封鎖に打って出るのでしょうか?ホルムズ海峡封鎖は原油が暴騰し、世界が困りますが、イランも困るのです。故にそこまではしないのではないか、というのが一般的解説です。ですが、もし、イランの原油施設が破壊され、イランの原油輸出が経済封鎖で実質閉ざされたならばホルムズ海峡に船を沈め、通行できなくする蛮行をしないとは言えないでしょう。つまりイランもイスラエルもアメリカも判断に繊細さを要求されるところであります。
本来であればここでG6が仲裁に入るべきですが、基本的には人道的立場を除き、中立ないしドイツのようにイスラエル寄りに舵が切られています。多分ですが、遠巻きに見るだけで留まると思います。