【3】大阪ニセ夜間金庫事件(1973)

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1973年2月25日深夜、大阪市北区梅田の三和銀行阪急梅田北支店前に ベニヤ板製の偽造夜間金庫 が据え付けられました。正規金庫には「故障中につき仮金庫へ」と貼り紙があり、利用客は売上袋を次々に偽物へ投入しました。

未明、袋が詰まって外板が膨らんだため不審に思った利用客が警備員へ通報し、被害総額は 2,576万円 に達する直前で発覚しました。

偽金庫はレシートまで出る精巧な作りで、大阪府警は材料の仕入れ先を徹底調査しましたが犯人は特定できず、1980年2月の公訴時効成立で未解決となりました。その巧妙さから「知能犯の傑作」とも評され、以後のドラマや類似事件のモデルになっています。

【4】福岡3.8億円強奪事件(2017年4月20日)

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2017年4月20日12時25分ごろ、福岡市中央区天神1丁目のコインパーキングで、東京の貴金属店に勤める男性(29歳)が 3億8,400万円(紙幣約38kg) 入りスーツケースを奪われました。犯人グループは男性の顔に催涙スプレーを噴射し、盗難ナンバーの白いワンボックス車で逃走しました。

事件後、愛知や関東を拠点とする暴力団関係者ら 計10人 が逮捕・起訴され、実行・運搬・計画と役割を分担した組織的犯行と認定されています。

2019年5月24日、福岡地裁は主導役に懲役16年など実刑判決(全員15~16年)を言い渡し、「白昼の繁華街で巨額現金を強奪した極めて悪質な犯行」と断じました。奪われた現金の大半は依然不明です。

【5】三億円事件(1968年・府中)

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1968年12月10日午前9時30分ごろ、ごろ、東京都府中市晴見町で、東芝府中工場の冬季賞与 2億9,430万7,500円 を載せた現金輸送車(日産セドリック)が、白バイ警察官を装った男に乗り逃げされました。

犯人は「車体下に爆弾がある」と告げて発煙筒を焚き、銀行員4人を退避させた後、車を約1.2km離れた武蔵国分寺跡付近で乗り捨てて逃走しました。暴力行為がなく死傷者も出なかったため刑法上は窃盗罪です。

警視庁は延べ 17万1,346人 の捜査員と約 9億7,200万円 の捜査費を投入しましたが、犯人も現金も見つからないまま 1975年12月10日 に公訴時効が成立しました。

番号特定済みの500円札2,000枚を含め、紙幣は一枚も発見されていません。被害額が「約3億円」と報じられたため、事件は通称「三億円事件」と呼ばれ、日本の“完全犯罪”の象徴とされています。