誰にも気づかれず巨額の現金を奪い、捜査網をすり抜けて姿を消す──。

そんな “映画のような” 犯罪は日本にも実在しました。

ここでは、逃亡が長期化したり、黒幕がなお不明だったりする 伝説的な5事件 をご紹介します。

目次

【1】松山ホステス殺害事件(1982年)──「7つの顔を持つ女」「現代の忍者」【2】1994 神戸《福徳銀行5億円強奪事件》【3】大阪ニセ夜間金庫事件(1973)【4】福岡3.8億円強奪事件(2017年4月20日)【5】三億円事件(1968年・府中)まとめ:逃げ切りを支えた3要素 ## 【1】松山ホステス殺害事件(1982年)──「7つの顔を持つ女」「現代の忍者」

nigekitta-jikenn.

1982年8月19日、愛媛県松山市のマンションでホステスの 安岡厚子さん(31歳) が絞殺され、室内の家財道具まで奪われました。 犯人は同僚のホステス 福田和子(当時34歳) です。夫に遺体運搬を手伝わせて山中に遺棄し、親族も巻き込んで家財 334点(時価約951万円) を運び出しました。

福田は整形手術と偽名を駆使して北陸や近畿を転々とし、約14年11か月 も逃亡しました。

警察は指名手配写真入りテレホンカードやテレビ特番まで動員しましたが逮捕には至らず、公訴時効成立21日前の1997年7月29日、福井市内のおでん店から出た直後に市民通報で逮捕されました。

巧妙な整形と逃亡生活から、メディアは彼女を「七つの顔を持つ女」と呼びました。

【2】1994 神戸《福徳銀行5億円強奪事件》

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1994年8月5日午前9時20分ごろ、兵庫県神戸市中央区の 福徳銀行神戸支店 車庫で、行員が降ろしていた現金 5億4,100万円 入りジュラルミンケース3個が、拳銃を持つ2人組に強奪されました。逃走車は約800メートル東で見つかり、現金は別車両へ積み替えられていました。

兵庫県警は生田署に捜査本部を設置し大規模捜査を行いましたが、回収できたのは微々たるものだけです。

主犯格と報じられた元暴力団員 森本喜博 は(犯行当時43歳)は整形と偽名で転々とした。のちに2007年の逮捕時には56歳になっていた。整形と偽名で転々とし、「十の顔を持つ男」と呼ばれました。強盗致傷罪の時効は2002年4月1日に成立し、本件では起訴できませんでした。森本は2007年、愛知県の信用金庫での強盗未遂で現行犯逮捕され、別罪で懲役8年の実刑判決を受けています。