芸がない言い方となるが、遠くの戦争のインパクトは概ね原油価格によって規定される。来週になっても原油価格の上昇が続くなら顔面着地感が続くし、大きく下落するのを確認できれば株式も再び買えるようになる。
GS CTAはやはり買いの主力から外れる。システマティック勢全体でも似たようなものであるが、ポジショニング水準としては半分ほど買い戻した程度である。
DBの統合ポジショニングもやはり4月の売りを半分買い戻した程度であり、現在23パーセンタイルである。
久々にリスクパリティのポジショニングも流れてきた。こちらはvolコントロールの足が遅い版であることが知られており、ポジションは非常に軽い。
ファンディング・スプレッドも少し戻した程度であり、機関投資家による大掛かりなレバレッジ需要が回復していないことを示唆する。
先々週のフローは相変わらず企業の自社株買い vs機関投資家の売りであり、どちらも加速している。
決算期が少しずつ近付くにつれ、企業の自社株買いはブラックアウト期間が始まる。6月末にはほとんどの企業はブラックアウト期間に入る。6月下旬のシーズナリティもよくないが、ブラックアウト期間中であるにもかかわらず、6月末さえ通過すればサマーラリーに入りやすくなる。地政学に押されて存在感がすっかり薄くなっているが、小売売上高とFOMCの週である。
NAAIMは小動きで引続き楽観域にある。一方GSセンチメントはマイナス域で停滞しており、インサイダーは比較的大幅な売り越しとなっている。
テクニカル。週足は上ヒゲ陰線となり上ヒゲの6060は週足レジスタンスとなる。日足でも金曜日足が同様の上ヒゲ陰線となっており6026も日足レジスタンスとなる。先週までの週足サポート5861はまだ生きており、またその下の5800近辺はガンマウォールがある。
もっとも週末20日に控えている6月Op Exを通過するとガンマウォールが縮小する可能性もある。ブラックアウト本格化も重なるため、そのタイミングからはこれまで控えられていた下攻めが再開される可能性がある。これ自体は先週の記事でも考えたシナリオの一つであるが、イスラエルのせいでOp Ex前からフライングで下げ始めた形となる。金曜でも作れなかった1日2%下げが見られるかも引続きキーとなる。