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文章に限らず、言葉は自信を持って伝えることが大切です。そのためには、適切な場面で「断定して言い切る」ことも必要です。言葉にする際には、読者に価値を提供したいと思うものですが、その価値を明確に伝えるには、曖昧さを排除する勇気が必要です。

ただし、断定的な表現は諸刃の剣です。説得力を高める一方で、使い方を誤れば信頼を失うこともあります。重要なのは、目的と文脈に応じて表現を使い分けることです。

次の文を比較してみましょう。

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1の文章は、自信のなさが透けて見えます。読者は「本当に効果があるのか」と疑問を持つでしょう。一方、2の文章は明確な根拠とともに断定しているため、説得力があります。単なる押し付けではなく、確信を持った提案として受け取られやすくなります。

経営の場面でも考えてみましょう。

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あなたが経営者なら、どちらのアプローチに期待を持てるでしょうか? 1は慎重ですが、具体性に欠けます。2は明確なビジョンと根拠を示しており、実行への意欲が感じられます。

なぜ多くの人は「断定して言い切る」ことができないのでしょうか。それは批判を恐れるからです。しかし、批判を恐れて曖昧な表現に逃げることは、かえって読者を失望させます。自分の意思を持たない書き方は、文章を読みにくくするだけでなく、読者の時間を無駄にします。

断定的な表現を効果的に使うためのポイントです。

1. 根拠を明確にする 断定する際は、必ずその理由や根拠を示しましょう。「〜すべきだ」と言うなら、なぜそうすべきなのかを説明する責任があります。

2. 読者の利益を考える 断定的な表現は、読者のためのものでなければなりません。自己満足のための断定ではなく、読者が行動を起こすための明確な指針となるべきです。