■このテレビ、そんなにレアな物だったのか…!
当該商品・ドリームキャスト一体型テレビ『CX-1』は、2000年5月に株式会社スマートエックスが開発し、フジテレビが企画、発売した「ドリームキャストと互換性のある一体型テレビ」と判明。
その詳細について、ハードオフ担当者は「99年12月に当時のセガ・エンタープライゼスから発売された同社最後のコンシューマーゲーム機ドリームキャスト専用ソフト『スペースチャンネル5』の世界観、およびコンセプトに強く影響を受けた製品だと解釈しています」「テレビの発売は5カ月なので、ひょっとしたらリンクした企画だったのかもしれませんが、定かではありません」と、振り返っている。

さらに、担当者は「このようなデザインとしては、パナソニックの前身であるナショナルが1960代後期から70年代にかけて販売したモノクロテレビ『TR-603A スペースエイジ』という商品にも、CX-1のコンセプトのルーツが感じられます」と、分析していた。
■ハードオフ勤続22年のプロも「初めて見た」
今回の取材に応じてくれたのは、勤続22年という生粋の「ハードオフマン」。当然、過去にも数多くのテレビゲームを買取り、販売してきた人物なのだ。
正に「歴戦の猛者」である担当者は「過去には、マニアの間では有名なであるシャープから発売されたファミコン一体型テレビ、スーパーファミコン一体型テレビなどを買取りさせて頂いた経験があります」と、語り出す。
しかし、そんな歴戦の猛者でも、ハードオフ町田木曽店への勤続3年目にして、今回初めて当該のテレビに出会えたというのだ。
買取を行ったのは別のスタッフで、当初は「レトロなかわいいブラウン管だなぁ」と思いながら査定をしていると、見覚えのある差し込み端子(コントローラー端子)と付属品を発見。
「まさか…」と思ってネットで調べると、とんでもない販売額で流通していることを知り、思わず身震いしたそう。なお、発売当時の定価は88,800 円で、わずか5,000台という、超が付く限定商品だったのだ。

その希少度について、取材に応じてくれた担当者は「ハードオフグループ全体でも、買取の記録がほぼありません。2011年7 月に地上波のアナログ放送から地上デジタル放送へ移行した頃はブラウン管テレビの需要が急落したタイミングだったので、その頃に処分、もしくは安価で販売された物もあるかもしれませんが、昨今のレトロゲームブームまで生き残った CX-1は、今となっては現存数も少ない、希少価値が大変高い商品と言えます」と、太鼓判を押している。
発売から25年を経て、価格が10倍以上に高騰したテレビ。ここからさらに10年後は、どれほどの値段がつけられるのだろうか…。