調査の結果、水深約700メートルという比較的浅い場所に、合計4つの熱水噴出口が発見されました。
最も高い煙突状の噴出口は高さ4メートル。
そこには、巻貝やフジツボ、エビなどが群れをなす、化学合成(ケモシンセシス)に依存する生命圏が広がっていました。
驚くべきことに、これらの噴出口のすぐそばには、朱色のサンゴが咲き誇る“深海の庭園”が広がっています。
通常、熱水噴出口は高温・高硫化物という過酷な環境で、他の生物の生息は困難とされてきました。
しかし今回の発見は、噴出口の熱とエネルギーを利用して、スケールの大きな生態系が形成されていることを示しました。
どんな生物が見つかった?

チームは、サンゴ、カイメン、ヒトデ、ウニ、クシクラゲ、巻貝など、多様な形態の生物を次々と採取しました。
その中には、これまで知られていなかった形態や色彩の個体も多く、分類学的に「新種の可能性が高い」とされています。

生物学者たちは、年内に正式な分類・命名を進める予定で、「この探査は、海洋生物多様性の理解を一気に前進させるものになる」と期待されています。
中でも目を引くのが、ドラゴンフィッシュの一種(Akarotaxis aff. gouldae)です。
これは2年前に存在が確認されたものの、これまで一度も映像に収められたことがありませんでした。
