南極に近い南大西洋。

その人跡未踏の海域で、まるで別世界のような“深海のワンダーランド”が発見されました。

米シュミット海洋研究所(Schmidt Ocean Institute)を中心とする国際チームは、35日間にわたる航海調査で、海底火山と氷山に囲まれた深海で、これまで誰も見たことのなかった生命の楽園に出会いました。

その中で、科学的に未知とされる生物たちが続々と見つかっており、新種の可能性が期待されています。

さて、どんな世界が見つかったのでしょうか?

 

目次

  • 未知の深海世界を探査!
  • どんな生物が見つかった?

未知の深海世界を探査!

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/ Credit: SOI – New Coral Gardens and Hydrothermal Vents Found in the Icy Depths of the Remote South Sandwich Islands (2025)

シュミット海洋研究所らは今回、南極圏に近い南大西洋に浮かぶ「サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島」へと向かいました。

ここはチリのプンタ・アレナス港から8日間もかかるほどの孤立地であり、その深海底に人類の探査の手が届いたことは今までありません。

探査の目的は、深海に生きる未知の生物を記録することでした。

過酷な環境のなか、調査船ファルコー号がたどり着いたのは、南大洋最深の海溝と、まだ記録されたことのない熱水噴出口が眠る海底カルデラでした。

シュミット海洋研究所の遠隔操作探査機「SuBastian」が投入され、詳細な地形マッピングが開始されると、地形データに2つの“ポックマーク”と呼ばれる窪みが浮かび上がりました。

これがまさに熱水活動の兆候だったのです。

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新たに発見された深海の生態系/ Credit: SOI – New Coral Gardens and Hydrothermal Vents Found in the Icy Depths of the Remote South Sandwich Islands (2025)