ロシアの地下に眠る、冷戦時代の巨大な遺産
鉄のカーテンの向こう側にも、壮大な秘密が眠っている。
■モスクワ地下のミステリー「メトロ2」

モスクワの公式な地下鉄網のさらに下、地下200m近い深さには、もう一つの地下鉄「メトロ2」が存在すると噂されている。スターリンの命令で建設が始まったとされ、クレムリンや治安機関本部といった重要拠点を結んでいるという。核戦争が起きた際の通信網、そして1万人を収容できる巨大シェルターとして機能すると考えられているが、ロシア政府はその存在を公式に認めていない。
■プーチンの最終避難所?閉鎖都市「メジゴーリエ」

ウラル山脈の麓に外界から完全に隔離された都市「メジゴーリエ」がある。約1万7000人が暮らすこの街の地下には、ヤマンタウ山をくり抜いて作られた巨大な核シェルターが存在すると信じられている。世界の終末(アルマゲドン)が訪れた時、ロシアの指導者が逃げ込む最後の砦だと囁かれている。
「終末」に備える、人類の巨大な地下金庫
軍事や諜報だけが秘密基地の目的ではない。人類の未来と過去を守るための、壮大な施設も存在する。
■北極に眠る「現代版ノアの箱舟」

ノルウェー領スヴァールバル諸島。永久凍土の山中に、地下120mの巨大な施設が隠されている。ここは「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」。地球上のあらゆる作物の種子1億点以上が、来るべき終末の日に備えて保管されている、まさに農業のバックアップだ。モーションセンサーと分厚いコンクリート壁が、人類の食の未来を固く守っている。
■人類の記憶を守る地下要塞「アイアンマウンテン」

アメリカ・ペンシルベニア州の古い石灰岩鉱山を改造した、巨大な地下保管施設「アイアンマウンテン」。地下70mに広がるこの空間には、政府の最重要記録から有名人の遺言書、ハリウッド映画のマスターフィルムや歴史的な音楽の原盤まで、人類の文化遺産が厳重に保管されている。ここはまさに、人類の記憶を守る最後の砦なのだ。
こうして見ると、世界中の「トップシークレット」とされる施設は、軍事的な野心や国家の防衛戦略だけでなく、人類の破滅を想定した壮大なバックアップ計画、そして文化遺産を守るという崇高な目的まで、実に多岐にわたっていることがわかる。それぞれの施設は、その国の歴史や地政学的な立場を色濃く反映しており、冷戦時代の遺物から未来への備えまで、様々な物語を秘めている。
結局のところ、固く閉ざされたゲートの向こう側で何が行われているのか、我々一般人が真実を知ることは難しい。しかし、そこにある「秘密」そのものが、人々の好奇心をかき立て、陰謀論や都市伝説を生み出す土壌となっていることだけは確かだ。
参考:Daily Star、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。