超常現象の夢、科学の現実に終わる

 結局のところ、UNAMのレポートが導き出した結論は極めて現実的だった。「ブガの球体」は、地球外生命体による超テクノロジーの産物ではなく、地球の工業技術で作られた「光ファイバーを埋め込んだアルミ合金製の物体」だったのである。

「水を蒸発させる」「重さが変わる」「未知のエネルギー源を持つ」といった、これまで語られてきた数々の不思議な現象は、今回の科学的な分析では何一つ裏付けられなかった。

 この結果は、超常現象を信じる人々にとっては少々がっかりするものかもしれない。しかし、一つの謎に科学の光が当たり、その正体が明らかになった瞬間でもある。

 結局、ブガの空から舞い降りたのは、宇宙からの使者ではなく、光ファイバーを埋め込んだ少々出来の悪いアルミの塊だった。それでも世界中の人々がそれに夢を見たという事実こそ、この物語で最もミステリアスな部分なのかもしれない。

参考:Portal Vigília、ほか

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