英国政府が駐在員の帯同家族にも一定の英語力を要求するかも、という話があります。最近日経に出た記事ですが、確か、1年ぐらい前にも同様の話があったと記憶しています。これに対して日本人社会からは一定の抵抗や懸念があるようですが、私はその試験はあってもよいと思っています。

TomasSereda/iStock

そもそも記事によると求められる英語の能力も英検3級程度なのです。中学生英語で日常生活をするにおいて最低レベルの水準とも言えます。この程度の英語ができないと生活に支障が出るわけで駐在員家族として恥ずかしいだろう、というのが私の主張です。

反論派としては「海外駐在になるのは私の旦那。(最近は逆パターンもあります。)その旦那の会社の決定に基づき、旦那の会社に勤めているわけではない私が人生の自由度を会社によって変更させられ、更に赴任先の国から一定水準の英語を求められるのは二重の仕打ちではないか」と。

まぁそうですね。おっしゃる通り。ならば旦那と行かない自由もありです。そもそも海外駐在で家族帯同は5-8割程度なのです。これには子供の教育問題が最大の理由とされますが、それ以上に赴任先の安全性、特に奥様やお子様への生活環境がふさわしくない赴任地というのもあります。

実態として私の今までの経験上の感じからは、統計に出てこない話ですが、旦那が奥様を説得できなかったケースが潜在的に結構あるように見えます。しかもそれらの「経験上の感じ」とはここカナダの話であり、日本人女性には世界で最も人気がある国の一つにもかかわらずの話なのです。となれば赴任地が中東やロシア、アフリカや南米になれば「拒否権発動」は当然あるのでしょう。

海外生活に一種のアレルギーのようなものは少なからずの方が持っています。特に不安症になりやすい日本人女性の場合、英語ができない、知り合いもいない、日本食も一定の制約あるし、病院通いも簡単ではないと思い始めると不安で不安でしょうがなくなり、「私、やっぱり行かないわー」となるのでしょう。