しかし、一方で課題もある。総得点数「16」はJ1全体で16番目の数字と得点力には課題が残る。そんな中で明るいニュースとなったのが、6月4日に発表されたFWウェリック・ポポ(レッドブル・ブラガン/ブラジルから期限付き移籍)の加入だ。さらに、昨シーズン5月に左膝前十字靭帯断裂、左膝外側・内側半月板損傷で戦列を離れていたFWグレイソンが後半戦に向け着々とコンディションを上げているのも好材料のひとつ。攻撃力の底上げが、J1残留のカギとなりそうだ。

取材中の木山隆之監督

目先の一戦に集中

ーリーグ戦前半を11位で折り返すなど、初のJ1で堂々たる戦いを見せています。木山監督はここまでどのような手ごたえを感じていらっしゃいますか?

木山監督:順位は真ん中より1つ下の順位ですが、日程を半分消化して、優勝争いするチームとは勝ち点差は離れています。我々は今真ん中、もしくは下(J1残留)を争う位置にいると思います。自分たちの努力次第では、真ん中より少し上の位置も狙える可能性も残っているし、逆に厳しい戦いが続いていくと下との争いになっていくことは当然あると思うので、あまり先を見すぎずに1試合1試合自分たちの力を出し続けることと、そこに出てくる課題や色々なものと向き合いながら目の前の試合でポイントを取っていくことに注力してやることが一番大事だと思っています。それが最終的な結果に繋がると思っているので、目の前の試合にしっかり臨んでいくスタンスを出し続けていきたいなと思います。


ファジアーノ岡山 写真:Getty Images

「我々」の言葉に隠された想い

ーチームは今年初めてJ1に臨んでいますが、ホームスタジアムはこれまでにない盛り上がりを見せています。サポーターの声援をどのように感じられていまか?

木山監督:我々のサポーターは、良い時も悪い時も常に背中を押してくれています。僕はチームとファン・サポーターは切り離せないと思っていて、「我々」という言葉を使う時は「チーム」と「サポーター」を指した言葉で使うんですけど、本当に我々の持てる力をすべて出して戦えているという実感があります。それをホーム戦残り10試合弱、しっかりやり続けて1ポイントでも多くとることが大事だと思っています。


ファジアーノ岡山 写真:Getty Images

後半クールに向けて指揮官は「自分たちのプレーベースを上げていく」と強調