木山隆之監督 写真:Getty Images

2024シーズンの明治安田J2リーグを5位で終えたファジアーノ岡山は、J1への最後の1枠を争う昇格プレーオフで優勝し、クラブ史上初のトップカテゴリー行きを掴み取った。

2025シーズン、岡山は初挑戦となるJ1で躍進を見せている。2月15日にホームのJFE晴れの国スタジアムで行われた京都サンガとの開幕戦では、DF田上大地、MF木村太哉がゴールを決めたほか、強固な守備も手伝い2-0と完勝。以降ここまで19試合を戦って6勝6分7敗(勝ち点24)とJ1全20チーム中11位で前半を折り返しており、好スタートを切っている。

ここでは、初となるJ1の舞台で躍進する岡山の今シーズン前半を、6月8日に行われた会見での木山隆之監督のコメントと共に振り返る。

※順位、得失点差、総失点数は6月14日時点の成績


ファジアーノ岡山 写真:Getty Images

初のJ1で互角に戦えているワケ

6月15日時点のJ1順位表を見ると、岡山が今季これほどの成績を残していることが納得できる数字がある。

順位決定の上で、勝ち点の次に判断材料となるのが得失点差だ。得失点差とは、総得点数から総失点数を引いた値のことで、6月14日時点で「-1」の岡山は、町田ゼルビアと並んで11番目につけている。総失点数に目を向けると、最少失点が5位サンフレッチェ広島の「14」、次いで1位鹿島アントラーズの「15」、さらに4位柏レイソルと11位岡山の「17」と続く。リーグ11位ながら、上位チームと同等の総失点数を記録している岡山。この堅守こそが、J1初挑戦でも互角の戦いを展開している大きな要因と言えるだろう。

対人守備では無類の強さを誇り、3CB(センターバック)リベロから攻守において安定感が光るDF田上や的確なカバーリングと絶対的な空中戦の強さを持ち、今シーズン柏から完全移籍で加入したDF立田悠悟、長身とシュートストップを武器にリーグ総失点数3番目という記録に貢献しているGKスベンド・ブローダーセンらの存在が大きいだろう。


ファジアーノ岡山 写真:Getty Images

チームの課題とは?