すべてが嘘なのか? 消された「核とUFO」の不都合な真実
では、UFOの目撃談はすべてペンタゴンの作り話だったのか?話はそう単純ではない。ペンタゴンは過去の嘘を認めることで「我々はクリーンになった」とアピールする一方で、説明のつかない不可解な事件については、新たな「嘘」で上書きしようとしている節がある。
その代表例が、1967年にマルムストローム空軍基地で起きた事件だ。当時、勤務していたロバート・サラス大尉らの証言によれば、基地上空にUFOが出現した後、配備されていた核ミサイル10基がすべて機能停止に陥ったという。
これに対し、ペンタゴンは最近になって「あれはEMP(電磁パルス)兵器の実験だった」という新説を唱え始めた。しかし、この説明には大きな矛盾がある。EMP攻撃は電子機器に恒久的なダメージを与えるものであり、一時的に機能停止させた後に正常復旧するようなものではない。そもそも、なぜ冷戦の真っ只中に、実戦配備中の核ミサイルでそんな危険な実験を行う必要があったのか。
さらに、この種の事件はアメリカ国内に留まらない。1982年、ソ連(現在のウクライナ)でも、UFOの接近後に核ミサイルが15秒間もの発射カウントダウンに入るという、恐るべき事件が起きていた。しかし、ペンタゴンも、その意を汲んだかのような一部メディアも、自らのストーリーに合わないこれらの事実を完全に無視している。

「情報公開」という名の新たな隠蔽工作
過去の嘘を認め、一部を切り捨てることで、本当に隠したい核心部分を守り抜く。これは、情報操作の常套手段だ。ペンタゴンの今回の「告白」は、真実の解明ではなく、国民の目を逸らすための、より洗練された心理作戦なのかもしれない。
かつてCIAがメディアを陰で操り、政府のプロパガンダを流した「モッキンバード作戦」のように、ペンタゴンは今、大手メディアを利用して「UFOの謎は、冷戦時代の悪ふざけで全て解決済み」という新たな物語を国民に刷り込もうとしているのではないか。
ペンタゴンが流す情報を鵜呑みにするのではなく、その裏に隠された意図を読み解く必要がある。UFOを巡る真実の探求は、まだ始まったばかりなのだ。
参考:Daily Mail Online、Unexplained Mysteries、Anomalien.com、ほか
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