専門家による調査と科学的アプローチ
常軌を逸した現象に悩まされたウッズ家は、専門家の助けを求めます。
まず、ドアノブが揺れる現象についてメアリーは地震を疑い地質学者に相談しましたが、該当する時間帯に地震活動は一切記録されていませんでした。
さらに、超常現象研究の第一人者であるロイド・オーバック氏が本格的な調査に乗り出しました。彼は、家の中に「説明のつかない電磁場の異常(Electromagnetic Pollution)」を検知し、特にバスルームやリビングで強い反応が記録されたのです。
オーバック氏は、ウッズ家で起きている数々の現象に対して、合理的な説明を見つけることができませんでした。彼は調査報告の中で、これらの出来事が「超常的なものである可能性」を認めつつも断定は避けました。ウッズ家の幽霊事件は、科学の力をもってしても解明できない深い謎に包まれたままとなったのです。
メディアが報じた衝撃と事件のその後
この不可解な事件は、やがてメディアの注目を集めます。
地元新聞が事件を取り上げると、驚くべき情報が寄せられました。亡くなった元住民の友人が連絡してきて、「メアリーの容姿が、亡くなった女性と双子のようにそっくりだ」と証言したのです。この偶然とは思えない類似性が、幽霊がウッズ家に執着する原因ではないか、と囁かれました。
そして1996年、人気テレビ番組「Unsolved Mysteries(未解決ミステリー)」で特集されたことで、事件は全米に知れ渡ります。再現ドラマと共にウッズ家の恐怖体験が放映され、夫妻はラリー・キングのトークショーにも出演。ウッズ家の幽霊事件は、1990年代のアメリカを席巻した超常現象ブームを象徴する事例となりました。
しかし、メディアの注目が去った後、ウッズ一家がどうなったのか、家に住み続けたのか、それとも引っ越したのか、公的な記録はほとんど残っていません。事件は2025年現在も解決の糸口が見つかっておらず、アメリカの未解決ミステリーとして、今なお語り継がれています。
事件の信憑性:信じるか、疑うか?
このウッズ家の幽霊事件は、果たして真実なのでしょうか。
【信憑性を高める要素】 一貫した複数の証言 :家族全員がそれぞれ一貫した怪奇現象を報告しています。 専門家の調査 :ロイド・オーバック氏が電磁場の異常を計測するなど、科学的調査でも不可解な点が確認されました。 金銭的動機の欠如 :一部の有名な事件とは異なり、ウッズ家がこの体験を利用して金銭的利益を得ようとした形跡は見られません。
【懐疑的な視点】 心理的要因 :新しい家でのストレスや、超常現象への思い込みが体験を誇張させた可能性も否定できません。 環境的要因 :電磁場の異常は、近隣の高圧線や古い家電製品が原因で発生し、人間に幻覚や不安感を引き起こすことがあると指摘されています。 客観的証拠の欠如 :幽霊の姿や物体の浮遊を捉えた写真や映像などの物的証拠は存在しません。
