最も気になるのは、エンコールバースが赤ちゃんや母体にとって危険がないのかどうかでしょう。

しかしボイル氏によると、羊膜ごと生まれても母子ともに何の悪影響もないといいます。

というのも通常の出産とエンコールバースでは「羊膜が体内で破れるか、体外で破れるか」の違いしかありません。

羊膜ごと生まれたとしても、赤ちゃんはへその緒を通じて十分な酸素が送られているので、羊水の中でも生存できます。

あとは羊膜を破いて、赤ちゃんを取り出すだけです。

羊膜は非常に薄い皮なので、指を突き刺すだけで簡単に破れます。

例えば、このように。

羊膜から出た赤ちゃんは肺の中の羊水を吐き出して、肺呼吸へと移っていきます。

この映像でも羊膜を破いた途端に、元気よく泣き始めているのが分かりますね。

一方でボイル氏は、エンコールバース自体は何も心配する必要はないが、懸念すべき点があるとすれば、赤ちゃんが未熟児である場合だと指摘します。

先ほど言ったように、エンコールバースは早産で発生する確率が高く、体の小さな未熟児は呼吸障害や発達の遅れ、視覚や聴覚の問題を起こしている可能性があります。

もし赤ちゃんがエンコールバースで生まれた場合は、身体機能に未発達や異常がないかを調べてもらうべきでしょう。

いずれにせよ、エンコールバースは本来なら見る機会のない、お母さんの胎内にいるときの赤ちゃんの様子が垣間見える貴重な姿です。

生命の神秘を感じますね。

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参考文献

En Caul Birth: Fascinating Video Shows Rare Baby Born Inside The Amniotic Sac
https://www.iflscience.com/en-caul-birth-fascinating-video-shows-rare-baby-born-inside-the-amniotic-sac-71130