では実際に、最近報告されたエンコールバースの映像を見てみましょう。
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このように羊膜が破れていないので、赤ちゃんはまだ羊水の中に浸っている状態です。
米マサチューセッツ総合病院の産婦人科医であるジェニファー・ボイル(Jennifer Boyle)氏によると、羊膜は出産中にほぼ必ず破れるので、エンコールバースの発生率は非常に低く、推定では8万人に1人の割合だといいます。
では、エンコールバースが起こりやすくなる原因は何なのでしょうか?
エンコールバースが起こりやすい条件とは?

エンコールバースが確実に起こる条件は知られていませんが、ボイル氏は「その発生率を高める要因ならいくつか存在する」と指摘します。
1つ目は「早産」です。
一般的に妊娠37週〜42週での出産を「満期産」といいますが、それ以下の短い妊娠期間で出産すると早産となります。
早産で生まれる赤ちゃんは体が未発達で小さい傾向にあり、羊膜への圧力が小さいので、出産前に羊膜を破れないことがあるのです。
そのため、羊膜ごと産道を通る可能性も高くなります。
2つ目は「非常に迅速な出産」です。
たとえ満期産だったとしても、出産直前の陣痛やお産の流れが極端に速い場合、羊膜が破れることなくスルリとそのまま出てくることがあるといいます。
3つ目は「帝王切開」です。
帝王切開は何らかの問題が生じて通常の出産が難しいときに、外科的な開腹によって赤ちゃんを取り出します。
ここでも羊膜が破れていなければ、そのまま取り出されることがあるようです。