毎日掃除は誰かしらがするので、死んでしまってから1日も経っていないはずなのだが顔を背けて息を止めておかないとしんどいくらいキツイ匂いがする。
だが、どちらも匂いで魚を寄せるエサなので、そりゃこれだけ強烈な匂いがしていたら魚も寄ってくるよなと痛感する。

イソメの顔色が分かるようになれ
私が在籍していた釣具店では入社直後は、皆一様にエサの担当者としてスタートする。エサというのは釣具店にとってなくてはならない物であり、金額こそ大きくは無いが絶対に欠品させてはならない。在庫や仕入れ管理について、回転スピードが速い事から小売業のなんたるかを新米が学ぶには最適だろう。
そんなエサ担当者としての日々がスタートした頃に、先輩から言われたのがこの章のタイトルのセリフである。四角いマスに仕切られた水槽に入っているイソメ達。そんな彼らをぱっと見で調子が良いか悪いか分かるようになれというのだ。
次第に分かるようになる
新入社員がそんなものわかるわけも無く、イソメの体調なんぞ知るかい!と思っていたのだが、入社して数か月も経ち毎日イソメと顔を合わせていると不思議と分かるようになってくるのだ。
イソメ達はマスの中でぎゅっと群れで固まっているのだが、その時のほぐれ具合や粘液の感じでこの塊は元気だな、とかちょっと調子悪いなとかハッキリ分かるようになるのだ。今でも客として釣具屋に入った際にエサコーナーでイソメ達を見かけるとゴミが付いていたりしたら掃除してあげたくなる。

<檜垣修平/TSURINEWSライター>