タングステンのジグヘッドはもとより3個入りで500円台、在庫が僅少のときには700円を超すことも珍しくない。もはや高級釣り具という感じすらしてくる。

釣り人視点で見る【物価高騰問題】 リールと遊漁船乗船代の値上がりが顕著かそのジグ単、かなり高価?(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

沖釣りでは燃料が別請求に?

釣具だけでなく、釣りの「実施コスト」にも変化が生じている。特に沖釣りにおいては、燃油費の高騰が影響している。これまで船代に含まれていた燃油代が、近年では別途請求されるケースが増えているのだ。

たとえば、大阪湾奥から明石方面に出ようと思うと、通常の船代と別に燃油1000円を別途請求する船もある。これは、軽油価格の上昇が原因であり、船宿としても従来の価格設定では営業が立ち行かなくなっている事情がある。

釣り人としては、実質的な値上げと捉えざるを得ず、1回あたりの釣行コストが高くなることで、釣行頻度そのものを見直さざるを得ないという声も出ている。特に遠征や複数人でのチャーター釣行となると、その影響はなおさら大きい。

その他細かい話でいえば、電車賃も上がっている。これまで安上がりが売りだった電車釣行も、釣行のたびに少々のお金をプラスして支払う必要が出てきた。

社会の動きと釣り

物価高騰の波は、釣り業界にも確実に及んでいる。リールをはじめとする主要釣具の価格はおおむね10%以上上昇しており、消耗品であるワームやジグヘッドにも影響が出ている。

さらに、沖釣りでは燃油代の別請求という形で間接的な値上げも進んでおり、釣行そのものの敷居が高くなりつつあるかもしれない。

釣り人視点で見る【物価高騰問題】 リールと遊漁船乗船代の値上がりが顕著か釣りは高くつく趣味に?(提供:TSURINEWSライター・井上海生)

釣りは多くの人にとって心の癒しであり、趣味の時間である。しかしその楽しみも、社会全体の経済動向と無縁ではいられないという現実が、今まさに突きつけられている。釣り人としては、限られた予算の中で工夫を凝らし、道具の手入れや選び方をより慎重に行うなど、知恵を絞る必要がある時代が来ている。